本番より

 今日は女声アンサンブルの演奏会。急遽、友人にもスタッフとして「出動」してもらった。リハーサル、会場準備、劇場との打ち合わせ、舞台上のセッティング・・・時間はどんどん過ぎていく。
 前回まではワタシも出演者として舞台に立ってた。今回は舞台袖でドレスではない黒服で同じように緊張しつつ、会場を走り回る。
 舞台に立った時のあの緊張感を懐かしく思った。緊張感、というよりも「実感」というほうがしっくりくる。今まで自分がやってきたことが全ての材料だ。やっていないことは材料にならない。奇跡というものは存在しないのだ。奇跡と思える出来事も製造元はきちんと自分自身だと思う。人は笑っちゃうくらいに自分の実力分しか動けない。舞台に立った時にそれを実感しているのだと思う。いいことだ!本当は現実が一番面白いのだもの!そういう実感は確実に奇跡の材料となりストックされている。小説もベースにドクドクと熱い血の流れる現実があるから面白いし、はてしないフィールドを広げることが可能なのだと思う。
 
 最近のワタシは実感が無いのだな。実感から逃げるために食べている。だって、食べているときには何も考えていないもの。「頭が真っ白」とはよく言ったものである。でも過食は食べているものは食べ物ではなく、自分の経験や感情や感動を。拒食は拒んでいるものは食べ物ではなく自分の全てだ。