「闇の子供たち」VS「家族狩りシリーズ」

 断然!梁石日の勝利である。
 確かに日本も「私達」の日常生活もひとりの力ではどうにもならない問題が山積になっている。その中で感じる「生きにくさ」や原因不明の不安に流されてしまえ!という誘惑に満ちていると思う。それらを書かれている「家族狩りシリーズ」である。だが読んでいる最中の歯がゆさが何であったのかを「闇の子供たち」を読み見えてきた。
 それは「闇の子供たち」が圧倒的に「リアル」なのである。他者の存在を正確に知ることにより、ワタシ達は初めて自分が見えてくるのではないだろうか。
曖昧なイメージではむしろ人を振り回す。寂しくて自分のベースがない人はイチコロだ。余計に不安になる。どうして「家族狩りシリーズ」が癒しモノなのだ?「家族狩りシリーズ」はリアルさを装っているから気持ち悪いのだ。書かれている様々な問題に(摂食障害も学校の不自由さも家族の恐ろしさも)「そんな程度じゃないだろう」「その程度で負けるわけないじゃないか」と、少なくともワタシは認識している。
 すっきりした。
 でも、まだ読み終わってないのだ。「闇の子供たち」。今晩中に完読だな。